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2009年11月 アーカイブ

ナウル共和国

「あの国は、イソップ物語のアリとキリギリスを地でゆくかもしれないよ。一見の価値ありだ」と、南太平洋に詳しい友人に勧められて、鹿児島から週2回飛び立っていたエア・ナウルの乗客となりました。

ボーイング727の100を超すシートに乗客は全部で5人。

「いつもこんなものですよ」と言いながら、ナウル人、ソロモン人、フィジー人、日本人の4人の美人スチュワーデスは、離陸早々からリキュール類のサービスをしてくれました。

沖縄、グアムを経由し、ポナペの島々を視界にかすめながら南下すること10時間。

赤道直下の太平洋のまっただ中に"涙のひとしずく"のような島が現れました。

目指すナウル共和国でした。

ナウルぐらいその全貌をつかみやすい国はないでしょう。

国土は海に突き出たさんご礁のかたまりを含めても、伊豆大島の4分の1にしかならない23平方キロ、車でゆっくり島を1周するのに30分とかかりません。

この世界で最も小さい共和国は、岸辺こそ熱帯の深紅の花が咲き誇り、「喜びの島」というジョン・ファーン船長の命名にうなずきたくもなりますが、海抜60メートルの中央台地に向かうと様相は一変します。

そこは厚さが10メートル近くにもなる海鳥のフン、つまりリン鉱石の堆積層なのですが、ブルドーザーとクレーン機であたり構わず掘り返されたため、いまでは500ヘクタールからの台地の大半が、月面のクレーターさながらに、灰色の荒涼たる光景をさらしていました。

しかし、5000人のナウル人が年間に1人1万豪ドル(当時約230万円)を超す国民所得を得て、水道、電話、医療、教育も一切無料といった恩典を享受できるのは、推定で年間4000万豪ドル(当時約72億円)にのぼるリン鉱石の輸出のおかげなのです。

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