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2010年07月 アーカイブ

日本の環境政策

78年7月、環境庁は、亜硫酸ガスにかわって大気汚染防止の焦点となってきた二酸化窒素の環境基準を、従来の基準(1日平均値0・02PPM以下)から大幅に緩和しました。


これによって、環境基準の達成率は16・5%から、告示即日93・7%へと一挙に"改善"されたのです。


この改定に際しては、自動車工業会から自民・民社両党への巨額の政治献金や、日本鉄鋼連盟の「二酸化窒素基金」、「トヨタ財団」などから中央公害審議会専門委員への「研究費」の供与などが、国会の内外で問題とされたものです。


しかし、緩和措置は実施され、これによって電力・自動車・鉄鋼などの巨大企業、設備投資など莫大な費用の「節約」を約束されます。


また、本四架橋・高速道路・火力発電所などの建設に向けて、環境基準達成上の大きな"あい路"がとり除かれたのです。


もちろん、この緩和措置によって大気汚染が現実に改善されるはずもなく、大気汚染による公害病認定患者はその後も増加を続けています。


しかし、この点については現在、公害健康被害補償制度(補償費用は"PPP"によって8割を産業界が負担)それ自体の"見直し"が行われているのです。


同補償制度の要件に窒素酸化物が加えられることによって、費用負担が契するのを極力回避し、さらには同制度の縮小を図ることに、さきの緩和措置のいま一つのねらいがあったと言うべきでしょう。

日本の環境政策 2

巨大企業をはじめとする財界、そして政府の環境問題をめぐるあからさまな"巻き返し"は、このほかにも74年以来OECDから重ねて勧告を受けています。


76年に環境庁自身が制定を唱えた環境アセスメント法案をめぐる7年間の動きや、また82年4月に3たび国会提案が見送られ、83年春には全体として規制を大きく緩めてようやく国会に提出されたものの、実質審議も行われないまま継続審議となった湖沼法案(湖沼水質保全特別措置法案)。


あるいは、環境庁長官自身がゴーサインを出した志布志湾(鹿児島県)の石油備蓄計画推進など、枚挙にいとまのないところです。


1982年版『環境白書』は、交通公害や湖沼汚染など環境問題が新たに深刻化している中で、「環境の状況は、・・・近年、全般的には改善を示してきている」という現状認識を示しました。


そして、「地球的規模での環境問題解決への貢ことともに、地域ごとの「快適な環境づくり」の必要を高らかに提唱しています。


そして一方、財界・経団連は、前記補償制度の"見直し"をはじめ、環境アセスメントの立法化に対する"疑問"や、地方自治体の条例による「上のせ」・「横出し」規制の"是正"など、公害規制"骨ぬき"のための多面的なプログラムの実現を第2次臨時行政調査会に対して「要望」。


こうして臨調答申後の今日、「新行革大綱」の下で、環境行政それ自体が「行財政改革」の一標的となっています。

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