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2010年08月 アーカイブ

日本の環境政策 3

80年代の日本の進路は、60年代「高度成長」路線と軌を一にする大企業の利潤本位の環境政策と経済運営を認めるのか。


それとも、遠くはない過去のきびしい国民的経験に学んで、環境と国土の改善優先、国民生活本位の経済発展の道を求めるのか¥・・。


この2つの方向をめぐって争われているといっても過言ではないでしょう。


70年代初頭の林業・山村は、「高度成長」末期、一極点にたっした資本の山村開発と、他方、公害反対運動の高揚の中で激しく燃え上がった自然破壊告発の世論・運動のはざ間にあって、"開発か環境か"をめぐって大きく揺れ動いていました。


実際、新全総から「日本列島改革」ブームにいたる諸過剰資本の山村への殺到と、ゴルフ場やスカイ・ライン開発など観光開発による自然破壊はすさまじいものがありました。


加えて国有林の大面積皆伐や林道開発、除草剤散布、造林・治山事業の立ち遅れなど、高度成長型森林開発は、掴立公園をはじめとする幾多の貴重な自然と森林の破壊、林地荒廃、さらには山地水害をもたらしました。


そして、そうした開発の嵐と激しい過疎化の波にほんろうされていた山村農民は、しばしば都市の"一木一草をも採ってはならぬ"とする絶対的自然保護論者から、当面の敵とみなされたのです。

日本の環境政策 4

こうした中で財界は、「21世紀グリーン・プランへの構え」(経済同友会・71年)を唱えて、変わり身早く方向を転換しました。


この提言は何よりもまず、「従来の森林政策の理念である木材採取を主とする"フロー重視主義"から蓄積を重視する"ストック重祝主義"への政策理念の転換」を求めていました。


そして、「高密度社会の形成」にともなって、「大気や水の浄化・・・など自然の環境資源」としての森林の役割や、「生活用水、工業・電力用水など・・・水資源の滋養」機能などを重祝せよというものでした。


60年代「高度成長」期の財界本位の木材増伐と都市工業への労働力集中にかわって、今度は山村の土地・森林・水・景観・空気など全「環境資源」を、新たな資本蓄積のための「社会資源」として再編成しようというものでした。


日本の木材需要を当面は外材でまかなうべしとする体制が強化される中で、「低成長」下の国有林経営は、財界の新たな路線にそって、また自然保護の世論に名をかりつつ、営林局・署、事業所などの統廃合を推進。


"十欠一補"といわれる人員削減を強行し、直営事業を請負化し、こうして「天然更新」という名の造林放棄と"手ぬき造林"を拡大しました。


全林野労組の調査によれば、戦後国有林が造林した125万㎞のうち、2割に当たる40万㎞が、"将来立派な森林にならない、不良造林地"であるといいます。


また、地元部落での雇用を削減して、山村の過疎化をさらに促進しました。

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