日本の環境政策 4
こうした中で財界は、「21世紀グリーン・プランへの構え」(経済同友会・71年)を唱えて、変わり身早く方向を転換しました。
この提言は何よりもまず、「従来の森林政策の理念である木材採取を主とする"フロー重視主義"から蓄積を重視する"ストック重祝主義"への政策理念の転換」を求めていました。
そして、「高密度社会の形成」にともなって、「大気や水の浄化・・・など自然の環境資源」としての森林の役割や、「生活用水、工業・電力用水など・・・水資源の滋養」機能などを重祝せよというものでした。
60年代「高度成長」期の財界本位の木材増伐と都市工業への労働力集中にかわって、今度は山村の土地・森林・水・景観・空気など全「環境資源」を、新たな資本蓄積のための「社会資源」として再編成しようというものでした。
日本の木材需要を当面は外材でまかなうべしとする体制が強化される中で、「低成長」下の国有林経営は、財界の新たな路線にそって、また自然保護の世論に名をかりつつ、営林局・署、事業所などの統廃合を推進。
"十欠一補"といわれる人員削減を強行し、直営事業を請負化し、こうして「天然更新」という名の造林放棄と"手ぬき造林"を拡大しました。
全林野労組の調査によれば、戦後国有林が造林した125万㎞のうち、2割に当たる40万㎞が、"将来立派な森林にならない、不良造林地"であるといいます。
また、地元部落での雇用を削減して、山村の過疎化をさらに促進しました。