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2010年09月 アーカイブ

日本の環境政策 5

こうした経営が巨額の財投資金の導入(その金利は80~82年で8・5~7・3%と、およそ森林の収益とはかけはなれた高利です)によって行われている実態。


これは、先進資本主義国の国有林にその例をみないものです。


総じて国有林経営の現状は、その重要な「使命」の一つである「国土の保全・水資源のかん養、自然環境の保全形こなど森林の「公益的機能」を発揮せず、その将来にわたる"機能の蓄積"を大きく食いつぶしつつあると言わねばならないでしょう。


他方、民有林では「低成長」下、住宅建築の減少などによる木材需要の停滞と外材輸入の増加の中で、国産材需要の減少はいちじるしいものでした。


木材自給率は、70年の45%から80年の32%にさらに低下。


木材伐採量の減少と中小木材業者の倒産、中小林家の経営悪化と林業従事者の老齢化などによって、造林の減退がいちじるしいものでした。


民有林の人工造林面積は、70年の26・8万㎞から80年の11.6万㎞に激減しています。


また、保育作業(下刈り・枝打ち・除伐など)や間伐の大幅な遅れが目立っています。


間伐期に達した民有林の森林面積は375万㎞(人工林面積のほぼ半分)、うち「緊急に初回間伐を必要とします)面積は約190万㎞にのぼっていますが、その実施面積は年間10~20万㎞余にすぎないのです。

日本の環境政策 6

山村農民人口の減少と老齢化、不在村森林所有者の増大・・・。


これらによる山村社会機構の解体化は、たんに造林や保育や間伐の遅れをもたらしているだけではありません。


山村の過疎化は、かつての日常生活そのものとしての山まわりや倒木・損木の防除や防火など、要するに地域全体としての森林の通常の施業や管理や保護の広範な粗放化・解体化をもたらしています。


そのために森林生育の活力は弱まり、風害・雪害・病虫害(松くい虫など)・林野火災など森林の被害が増大しています。


加えて、道路・ダム建設、観光・宅地開発など国土開発の進展と治山事業の遅れは、林地崩壊・土砂流出など山地災害を増大させているのです。


こうして森林と国土の荒廃がすすみ、森林がもつ理水機能(洪水量を減らし、渇水量を増やす機能)など、本来それが果たすべき公益的機能は大きく弱められているのです。


これまでのダム建設は山村住民にとっては、村落の崩壊や自然災害の発生、農林業の衰退や自治体財政の危機化など、"百害あって一利なし"といって過言ではないものでした。


国土庁の計画では、生活・工業・農業の用水需要の増加に対応するため、75~90年に建設省所管分だけで新たに358のダムを建設する予定でした。


この水需給計画については、「河川・湖沼と海を守る全国会議」がその"水増し"を批判して、「新たなダム建設は不必要だ」と問題にしており、また国土庁も全総に向けてその"見直し"を行っています。


ともあれここで強調しておくべきことは、その理水機能に関して、ダムがいかに小さく、森林がいかに大きいかということでしょう。

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